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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2019-06-03

Shotgun Jazz Band: マギー - 君と僕が若かったころ

Shotgun Jazz Band の演奏で "Maggie - When You and I Were Young"

底抜けに明るいディキシーランド・ジャズのスタイルで、この歌も、きみも、僕も、みなそろって天国に行ったかのよう。
元気に歩いた、あの丘、あの堤、あのあぜ道… みな天国にあり?
 

バンジョー、ドラム、コントラバスといったリズム・セクションと、トランペット(またはコルネット)、トロンボーン、クラリネットによる編成が、典型的なディキシーランド・ジャズのスタイル。そしてそれはジャズと呼ばれる音楽ジャンルの元となったといわれています。
それとよく似た、ニューオルリンズ・ジャズとの識別ははっきりしないようですが、 New Orleans が都市周辺の限定された地域を指すのに対して、Dixieland はより広い南部諸州を指すので、それが二つの名称の使い分けの一つの指針かもしれません。

いずれにしても、音楽的には、浦太郎がそう推測するところでは、4拍子が、非常に強いシンコペーションの結果 "弱拍、強拍、弱拍、強拍" と変形した、いわゆるフォー・ビート(和製英語)がベースでしょう。
実は、浦太郎はこのフォー・ビート(on beat four)の曲の楽しさを、ごく最近、府中市の "小学生のジャズバンド" を聴く機会を得て、そこで初めて知りました。以来、古典的なジャズを少し聴き直しています。
それまでは、まずリズムありき、というような楽曲はいっさい受け付けませんでしたが、フォー・ビートはちょっと違うと思うこの頃です。

そして、初期のジャズでは、黒人霊歌などもそうかもしれませんが、底抜けの明るさや、オクターブもそれ以上も跳ね上がる絶叫のようなソロが突き進みます。
そのアドリブの和音の進行に酔いしれていると、知らずに涙が滲んでいたりします。

…そう、これは、この明るさは、悲しみや、怒り、虚しさ…… それらの耐えきれぬ重さの裏返し、激しく込み上げてくる希望なんだよ、マギー。


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"Maggie - When You and I Were Young"
 マギー - 君と僕が若かったころ


1.
I wandered today all the hill, Maggie,
今日 あの丘を全部 歩き回ったよ、マギー、

To watch the scene below -
下に広がる 景色を見たくて -

The creek and the creaking old mill, Maggie,
小川や きしんで鳴る古い水車小屋をね、マギー、

Well we loue, long ago.
あの 僕達が 愛していたもの、ずっと昔。


The green grove is gone from the hill, Maggie,
緑の木立は もう丘になかったよ、マギー、

Where first the daisies sprung;
あそこ 真っ先に ヒナギクが咲き乱れたね;

The creaking old mill is still, Maggie,
あの きしんで鳴る古い水車小屋は まだあるよ、マギー、

Since you and I were young.
君と僕が 若かったころからね。


2.
They say we are feeble with age, Maggie,
年を取ると 弱々しくなるというけど、マギー、

My steps are less sprightly than then,
僕の歩みも あのころほど 活発ではなくなった、

My face is a well-written page, Maggie,
僕の顔は よく書かれたページなのさ、マギー、

But time alone was the pen.
でも 一人の時は ペンだけだった。


They say we are agèd and grey, Maggie,
年をとって円熟する といわれるけど、マギー、

The trials of life nearly done,
生きてゆく上の試練は ほぼ終わった、

Let us sing of the days that are gone, Maggie,
いっしょうに歌おう あの 過ぎ去った日々を、マギー、

When you and I were young.
あの 君と僕が 若かったころを。


Since you and I were young.
君も 僕も 若 かっ た か ら  ね    。


George W. Johnson, 1864, from "Maple Leaves": 土のちり (Uriah)訳


注)loue (Scots) = love

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Bravo! Brava! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2'53"
"When You And I Were Young Maggie"
Lyrics: George W. Johnson
Comp: James A. Butterfield
Perf: The Shotgun Jazz Band
Trumpet & Vocal: Marla Dixon
Reeds: James Evans
Trombone: Haruka Kikuchi
Banjo: ohn Dixon
Bass: Tyler Thomson
Drums: Justin Peake
Played on June 7, 2014
from the French Market, New Orleans, La.

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この詩を書いた当時学校の先生であった、詩人の George Washington Johnson と、その教え子の "Maggie", Margaret Clark、は恋に落ち、やがて婚約するも Maggie は結核に罹患する。
Johnson は、Maggie の闘病中、一人で近くの思い出の丘を歩き、この詩を書いた。
詩は、時を移し、年老いた詩人が、Maggie に語りかける形に表され、彼女に贈られた。
この詩は、1864 年に出版された詩集 "Maple Leaves" に収められている。
二人は 1864 年 10 月に結婚するが、Maggie は翌 1865 年 5 月に亡くなってしまう。
一年後、Johnson は友人の James Austin Butterfied に、この詩のための作曲を依頼し、できたこの曲は、またたく間に Wrold Standard となった。

スコットランドの曲と紹介されることがあるようだが、Johnson 氏と Maggie さんが暮らしたのは、カナダのトロント。
Johnson 氏は 1839 年生れ、1917 年没。

Ref: https://www.allmusic.com/artist/george-washington-johnson-mn0001674867



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