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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- The Alexander Brothers : Nobody's Child リードに加筆, 一部記述変更

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞掲載

2017-08-02

ポール・フォール「このおとめ」


Paul Fort 1872-1960 フランスの詩人 近代仏文学の興隆にあずかって力あった。(訳者)



このをとめ


このをとめ、みまかりぬ、みまかりぬ、こいやみに。

ひとこれを葬りぬ、葬りぬ、あけがたに。

寂しくもただひとり、唯ひとり、きのままに、

棺のうち、唯ひとり、唯ひとり、のこしきて、

朝まだき、はなやかに、はなやかに、うちつれて、

歌ふやう「時くれば、時くれば、ゆくみちぞ、

このをとめ、みまかりぬ、みまかりぬ、戀やみに。」

かくてみな、けふもまた、けふもまた、野に出でぬ。



     ポオル・フォオル



Paul Fort 1897 “La Fille morte dans ses Amours”
dans “Ballades Françaises,I”

上田敏 訳 1911「芸文」



注)をとめ = 乙女
注)みまかりぬ = 身罷る 現世からあの世へ退く 死去する


出典:上田敏全訳詩集 1962 岩波書店
参照:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店

改訂:2017.08.02 末梢誤記訂正
   2019.11.20 末梢レイアウト変更 リーダー記述変更


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