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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-10-19

我が恋止まむ


題詞: 磐姫皇后いはのひめわうごう 、天皇を思ひて作らす歌四首
(その四)




秋の田の 穂のうへらふ 朝霞あさがすみ
  いつへのかた恋止こひやまむ


磐姫皇后いはのひめわうごう :萬葉集 88



注)霧らふ =きら〈霧る(きる)・自ラ四・未然〉+ふ〈助動四型・連体・状態の継続〉→たちこめている(全文)
注)いつへ方=何時辺乃方→いつになったら(全集)
注)…む=〈む・助動四型終止・推量/予想〉(全文)
注)恋止まむ=今は隔てられている天皇(夫)への想いが、いつ晴れるのか、成就するのか(土のちり)

注)皇后(ルビ:わうごう)="わうごう" の語を見出しに掲げる古語辞典は見当たらないようです。出典と同じ小学館の古語辞典も、一般的な "くゎうごう:皇后" を見出しとしています。にも関わらず、出典ではなぜか全書一貫して"わうごう" としています。


出典:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館 (全集)
参照:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店 (大系)
小学館 全文全訳 古語辞典 2004 小学館(全文)
学研 全訳 古語 辞典 2003 学研教育出版(全訳)
岩波 古語辞典 1974 岩波書店(古語)


改訂:2018.10.19 注釈漢字読み追記 霧る→霧る(きる) 他末梢変更

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