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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-10-03

圧巻!!!「リベルタンゴ」A・ピアソラ作曲


アルゼンチンのバンドネオン奏者で作曲家のアストル・ピアソラの作品で、超有名な “Libertango (リベルタンゴ)“。
理屈不要、問答無用。生命が躍動する入魂の演奏とダンス…… しばし音楽を。



この、クラシックの音楽家からも評価され好んで演奏もされている作品、著名な演奏家によるものを含むいくつかの演奏を聴いてみたことがあるのですが、忌憚なくいえば、どの演奏もまったく面白くなく、曲の最後まで聴き通したことがありませんでした。

しかし、…………


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Bravo !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

4'55"
“Libertango“
Comp: Astor Piazzolla(1921-1992)
Conductor & Pianoist: Sergey Zhilin
Russian Philharmonic (モスクワ市交響楽団)
Bandoneon: Yuri Medyanik
Violin: Rodion Petrov
Site: Moscow International House of Music, Svetlanov Hall
Pair of dancers: Inna Svechnikova & Dmitry Chernysh
Date: September 30, 2010

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………… 昨晩、この演奏に巡り会って驚愕。躍動するリズムに、ほとばしる生命感に息苦しくなるほどで、ひどく涙腺の緩い私は、辛いわけでも悲しいわけでもなく、ただ感動で、琴線に触れられた思いで、なんど聴いても涙が滲んでしまいます。

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Libertando とはLibertad(自由な)とTnago(タンゴ)を組み合わせた造語だそうです。
そう言われてみると、ダンスの伴奏としてのクラシック・タンゴの枠の中で新しい演奏スタイルを求めたファン・ダリエンソ、それとは対極にあってよりシリアスな音楽性を求めたといわれるピアソラが、タンゴに新しい表現の可能性を求めた作品の一つ、そう思えます。

この演奏では、音楽に魂が吹き込まれ、生命感が躍動しています。
これは、指揮と冒頭のピアノ演奏をしている、セルゲイ・ジーリン氏の功績によるところが多いと思われます。
そして、アクロバチックなスポーツ・ダンスを得意とするダンサー二人の、鍛えられた俊敏な動きの魅力、その振り付け、さらに、それを追うカメラワーク。

指揮とピアノ演奏のセルゲイ・ジーリン氏は、ロシア有数の音楽家と思われ、Disk UNION のアーティスト紹介は彼を「ロシアの至宝」と次のように述べています。
「ピアニスト、作曲家、バンドリーダーとして活躍するロシアの至宝セルゲイ・ジーリン!」

バンドネオン発祥の地ドイツをはじめ、フランス、イタリアあたりのヨーロッパの中枢地域では、コンチネンタル・タンゴと呼ばれる(ムード音楽とでも呼ぶ?)悪しき伝統があり、そのせいか、アルゼンチン・タンゴの発展形であるこの曲のいい演奏には出会えなかったのだろうと思います。
それが、ロシアの人々によって、この曲に託したピアソラの心が理解され、この演奏で開花したのか…… などと思ってしまいます。

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思えば、およそ25年前、ジェームス・レヴァイン指揮「カルメン序曲」を聴いたときの驚きと感動を彷彿とさせてくれます。
その内容をおおよそは判っていて、面白くもないと思っている曲を、宝物に変えてくれる錬金術師たち。




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