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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-10-25

かかる恋には

題詞:大伴坂上郎女おほとものさかのうえのいらつめ歌二首 (その一)



黒髪に 白髪しろかみ 交り ゆるまで
かかる恋には いまだあはなくに


大伴郎女おほとものいらつめ:万葉集 563


注)かかる… =〔連体〕カクアルの約(現実にある)こういう こんな こんなに辛い(全集)
注)…なくに =〔連語〕…ないのに ないのにね(大系)

出典:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集4 1999 小学館
  :岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店


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補足)恋 = この大伴郎女の歌はともかく、一般的に対象は人に限らない。

         - 古に 恋ふらむ鳥は ほととぎす けだしや鳴きし 我が思へるごと 額田王
         - 皆人の 恋ふるみ吉野 今日見れば うべも恋ひけり 山川清み 作者不詳


古い記憶… 音楽や本の思い出を確かめながら、図らずも、身辺整理ならぬ "心辺整理" のようなことをしているうちに、古くからあるのにまったく知らずにいた、素晴らしい歌をいくつか見つけてしまい、ミイラ取りがミイラになったよう。

なかには、疑いなく、私の "Lifetime-Best" と思う歌もあり、身辺整理どころか、私にとっては新しい、それらの歌に魅入られ…… かかる恋には いまだあはなくに ……
と、心中ますます穏やかでなく、これではまるで恋煩い。

それらの歌を、ブログに載せようと思ってはいるのですが、私の、おそらく硬直していた価値観が、砕かれ、揺るがされているようで、記事を書き初めてもしばらくすると書き直したくなってしまいます。
心の底のジャイロを見つけて、これをうまく修正しないと、先に進みにくい。
それで、ブログの更新も、滞っています。



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