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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- 二人乗り自転車の歌 重要: たくさん分かち合う→運命を共有する (韻に託けて文法無視で意訳した前訳を改訂)

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞追記

2019-11-17

alibi-32: 凝るゆふべの血潮雲 - 久子誕生日


人は亡くなると、もう誕生日は祝わないのだろうか?まあ、本人がいないところで祝っても自己満足に過ぎず虚しくなるばかりか……。
今日は久子の、75回目の誕生日。さて、……



ボードレールの詩 "Harmonie du Soir" を訳して上田敏が詠う「薄暮くれ がたの曲」、その第四最終連を引きます。


闇の涅槃ねはんに、痛ましく悩まされたる 優心やさごころ
光の過去のあとかたをめて集むる憐れさよ。
日や落入りておぼるゝは、こゞるゆふべの血潮雲ちしほぐも
君が名残なごりのたゞ在るは、ひかり輝く聖体盒せいたいごう


出典:日本近代文学大系 52 明治大正訳詩集 角川書店

注)闇の涅槃 = néant vaste et noir 広大な虚無と暗黒
注)凝る = (冷えて) 硬くなる
注)聖体盒 = 聖体顕示台(カトリック教会の儀式に用いる)


"alibi-32: 凝るゆふべの血潮雲 - 久子誕生日"

日没7分後、西の空に淡い夕焼けが広がる中、遠く中央右にひとかたまりの真紅の雲
左端近くに富士山のシルエットも見えています。

∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥

今日は最近ブログに載せたこの歌を聴くことにします。
シャルル・アズナヴールとナナ・ムスクーリのデュエットで「愛の喜びは」。
この歌、昔は「愛の喜び」と呼ばれていたのに、いつの間にか変えられ、今の「愛の喜びは」となっていました。

これは、正しい訂正だろう…… なぜなら愛の喜びを歌っているのではなく、愛の喜びの時間は短いが、愛の悲しみは生涯続く…… と、愛を失った悲しみを歌っているのだから……

……… ?

いや、それはちがう。絶対違う。
愛の喜びが大きいからこそ、それを失ったらどんなに悲しいか、と、たとえ長くは続かない愛であっても、その喜びが如何に大きいかを謳っています。




3'15"
"Plaisir D'Amour"
"愛の喜びは"
Comp: Jean Paul Egide Martini
Lyrics: Jean Pierre Claris de Florian
Duo: Nana Mouskouri & Charles Aznavour


改訂:2020.07.02 歌の題名の記述加筆, 冗長行削除
2021.07.26 注追記, 末梢表現変更, 他
2023.11.07 微細表現加筆


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