神は人をパラダイスにおいたが人は神に背いた、と言われる。
そうであっても、そしてパラダイスを追われてもなお、人も動物もみな草食であったのに… なぜ?
草木が不足というならマナがあるはずではないか…
草木が不足というならマナがあるはずではないか…
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9:3 すべて生きて動くものはあなたがたの食物となるであろう。さきに青草をあなたがたに与えたように、わたしはこれらのものを皆あなたがたに与える。
創世記 日本聖書協会 口語訳聖書
ほかの動物を襲ってその肉を喰う… 喰うか喰われるかの弱肉強食!
そんな地獄、誰が望んだ?
誰……
……?
あなたがたに… 与 . え . る . ?
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”食物” とされる動物も、首を洗って喰われるのを待ってはいない。
追い詰められれば、吠え、噛みつき… そして力尽き、断末魔の悲鳴とともに血祭りに上げられ…
造り主から授かった尊いはずの命を守りきれず… 死ぬ。
……
血祭り… ま . つ . り . ?
……?
読めた、
8:20 ノアは主に祭壇を築いて、すべての清い獣と、すべての清い鳥とのうちから取って、燔祭を祭壇の上にささげた。 8:21 主はその香ばしいかおりをかいで、心に言われた、…
創世記 日本聖書協会 口語訳聖書
香ばしいかおり?
それは、燔祭の獣と鳥が丸焼きにされる匂い…
……
それは、羊を飼うものとなったアベルが捧げた "群れのうちのうい子と肥えたもの" が焼かれた時の匂い…
それは、カインが捧げた農作物の燔祭にはなかった匂い…
主はその香ばしい香りをかいで… !?
「お前たちも、喰え」……か!
なるほど、よ〜〜〜く、解った!
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これは、どのような切り口で描いてみても、詰まるところ他でもない、一世紀ほど前から強い批判を浴びている「キリスト教の人間中心主義」そのもの。
Wikipedia の「人間中心主義」 の項に次の記述がある。
ここで指摘されている、聖書の訳語の問題がその通りであれば、その人間中心主義を看過することはできなくなる。
ー以下引用ー
ユダヤ教、キリスト教の創造観は、旧約聖書の創世記に述べられている。
その中で神は人間に対して、「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ」*1 と命じている。
この「従わせよ」や「支配せよ」は穏やか過ぎる訳語であり、ヘブライ語の原語「kabash」は「鞭打って血を流してでも従わせる」といえるような強い言葉である*2。
脚注
*1. 一般財団法人 日本聖書協会 1:創世記 / 1章 28節
*2. 村上陽一郎『文明の中の科学』青土社、1999年、117頁
*1. 一般財団法人 日本聖書協会 1:創世記 / 1章 28節
*2. 村上陽一郎『文明の中の科学』青土社、1999年、117頁
信仰の対象としての神は必然的に人格神となり、ユダヤ教の神はユダヤ人の生活と文化、価値観、思想を反映し、その悲しみ、喜び、苦悩、希望をよく解するものとなる。
したがって、創世記が書かれた頃のユダヤ人の生活様式の遊牧民的性格が創世記の神のことばに色濃く反映されているといえる。
家畜を飼い、それを使役に用い、その毛や皮を利用し、その肉を食べる。神のことばはその生活様式の容認をするものとなり、ユダヤ人の生活は神のことばにその起源を持つということにする。
当然の帰結として、神がユダヤ人の生活様式の根幹を覆すような啓示をすることはない。
つまり、ヒトの実存が神の啓示に先立つ、という…… あぁ、何とも情けない、望ましくない "人が造った神" という結論に近づいているようです…
とりあえず、これが今のところユダヤ教の創世記に限定された考察に過ぎないところにかろうじて救いを見出します。
改訂:2023.06.13 末梢表現変更
2023.06.16 末梢表現変更
2024.04.18 細部表現変更→"人の造った神" を明文化
2023.06.16 末梢表現変更
2024.04.18 細部表現変更→"人の造った神" を明文化
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