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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2025-04-19

Alibi-51: 緑の里


世は不条理に満ち、物質文明がこの世を終わらせる日が遠くないことを告げられているのに… 朝カーテンを開けると、目の前の緑が視界に飛び込んでくる。
 あぁ…


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ガラス越しに朝日を浴びつつ東南を望むと目の前の緑に目を奪われます.
遠く川越市街が広がり, その上遥か彼方にうっすらと小さく都心の高層ビル. 左端から1/4ほどの地平線上にはスカイツリーも見えていて中程の展望台のガラスが朝日を受けて輝いているのが判ります.-2025.04.16 06:11





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…… 愚かとは、賢いとは何かを知らぬこと。

一寸の虫… 生まれたその日からただ三欲に明け暮れ、やがて鳥に啄まれ、あるいは獣か人に踏まれ、愚かでもなく賢くもなくその一生を終わる。
それがあるべき命の姿なのか…

いや、虫でも鳥でも獣でも皆、多かれ少なかれ他者と争う。その本質においてヒトはなおさら。
つまり、賢い動物というのは存在しない。

目の前に広がるこの緑。
それが、なぜこんなに美しく見えるのか… おぼろげながら、そのわけが解った気がする。

植物は争わない。熾烈な生存競争はあるが争わない。争い戦って互いを傷つけ合わない、という意味で争わない。
劣悪な環境に生まれた苦難の宿命にも、寄生植物に覆われて養分を吸い取られるもそれに抗う術なき無念の宿命にも、一言の文句も言わずそれを受け入れその一生を、その生命活動を、全うする。
その命が、いま、目の前に輝いている。
それが美しい。

こうして、この写真を撮った朝から三日ほど頭を悩ませた末、生まれて80年となったこの一年の最終日の今日、やっと樹木や草の緑を美しいと思うわけが解った。
それが解るまで、80年かかったということ…
人の、いや私の、思考の歩みのなんと遅いことか…



改訂:2024.04.22 キャプション訂正 東→東南,レイアウト微調整
2025.04.18 補遺 部分拡大写真



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