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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

New ! :改訂情報


- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞追記

- ハインリッヒ・ハイネ「いと麗しき五月」 助詞 "も" につき加筆/仮名遣を原典に整合

2022-04-18

シャガ - 人を恋うる花


自宅のある集合住宅玄関への小道の傍ら。
ちょっと前までカラスノエンドウがたくさん花をつけていた茂み、今日気がつくと赤紫の花に代わって白い可憐な花がたくさん咲いている。


近づいてみるとアヤメの花を白くしたような形の花。
遠目には白い花と見えたが、よく見るとそこにオレンジと紫の模様が、鮮やかでありながら優しく柔らかく広がっていて爽やか。
花弁の周囲と花芯には真っ白な鞭毛のような飾りがあって、清楚なようでいて華々しくもあり見て飽きない。

調べてみるとシャガという名の多年草の花。
控えめでありながら周到に着飾った美しい花ですが…… 種を作らないそうです。

う〜〜〜ん、しばし考え込む。

蜂や蝶を寄せるために着飾っているわけではない。
種は作らず根を伸ばして増えるのだから……
で、この花、なぜに咲く?

根を伸ばして命を繋ぐ…… 風や昆虫たちを頼ることなく完全自力で命を繋ぐ。
確実な命の継承とも言えますが、問題もあるようです。
株を大きくするという形の増え方はできても、新しい命を株を離れた遠くに芽生えさせることができない。
地域に幅広くそして世界にこの種を拡散させることは不可能。

だが、シャガは Iris japonica という名にもかかわらず中国原産。
ん…? それが、どうして今ここに咲く?

それについては Wikipeda が詳しい。
シャガは中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である。(中略)またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。したがって、人為的影響の少ない自然林内にはあまり自生しない。- ja.wikipedia.org

う〜〜〜ん、また考え込む。

ということは、この花、ヒトに媚びて移植してもらうために精一杯美しく咲いているのか…
中国でこの花を見たヒト、例えば日本人、に好かれて遠隔の地に連れて行ってもらうために咲いていたのだ。
そしてそれは叶えられ、今ここに咲く。
ヒトを目指して咲いている。
蜂でも蝶でもなく、あなたに愛でて欲しい。
そう言ってます…… 人を恋うる花

∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥

シャガ(射干、著莪、胡蝶花、学名:Iris japonica)


改訂:2023.07.16 写真のブリリアンス微調整


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