Click Icon or Scroll up

Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2015-09-24

長塚 節 「土」


およそ半世紀ほど前、高校の国語の先生に勧められてその名を知って以来、いつか読もうよもうと思いつつ、とうとう高齢といわれる年になるまで読まずに来てしまった。



先日、常総市の水害報道を見ながら、かってそのあたりを何度も車で通って見た景色を思い出し、そこに住む人のお気の毒な現状と、その土地の風土や暮らしの歴史に思いを馳せた。
ネットで検索し青空文庫に「土」が掲載されているのを見つけ、一気に読んだ。

 青空文庫 長塚 節「土」

ここには “原点” がある。自らの生き方や生きることの意味を考えるときの出発点があるように思う。
私は自分が人間であるということを快くは思っていない。所詮、弱肉強食の肉食動物の端くれに過ぎない、と思うと更に心苦しい思いがする。
しかし、そんな私にも、長塚節氏が何ら美化することなくありのままに描いた常総の自然や風土と人間・・お品、勘次、おつぎ、卯平、與吉、村人たち・・が、読み終わってなお、実にいとおしい。
お品が、勘次が、おつぎが、今もなお私に何か根源的な問いかけをし続けている。


改訂:2021.07.28 レイアウト更新 末梢表現加筆



0 件のコメント:

コメントを投稿

      ********** 投稿要領 **********
1. [公開] ボタンは記入内容を管理者宛に送信し即公開はしません
 (サイト劣悪仕様により当該文字列変更不能)
2. 非公開希望の場合もその旨記述しこのボタンで送信して下さい
3. 送信された記述内容は管理者の承認を経て原則公開されます
4. 反公序良俗, 政治的偏向過剰, 宣伝, 広告, スパム等は不可
      **********************************