およそ半世紀ほど前、高校の国語の先生に勧められてその名を知って以来、いつか読もうよもうと思いつつ、とうとう高齢といわれる年になるまで読まずに来てしまった。
先日、常総市の水害報道を見ながら、かってそのあたりを何度も車で通って見た景色を思い出し、そこに住む人のお気の毒な現状と、その土地の風土や暮らしの歴史に思いを馳せた。
ネットで検索し青空文庫に「土」が掲載されているのを見つけ、一気に読んだ。
青空文庫 長塚 節「土」
ここには “原点” がある。自らの生き方や生きることの意味を考えるときの出発点があるように思う。
私は自分が人間であるということを快くは思っていない。所詮、弱肉強食の肉食動物の端くれに過ぎない、と思うと更に心苦しい思いがする。
しかし、そんな私にも、長塚節氏が何ら美化することなくありのままに描いた常総の自然や風土と人間・・お品、勘次、おつぎ、卯平、與吉、村人たち・・が、読み終わってなお、実にいとおしい。
お品が、勘次が、おつぎが、今もなお私に何か根源的な問いかけをし続けている。
改訂:2021.07.28 レイアウト更新 末梢表現加筆
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